にのだん社会保険労務士事務所

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にのだん社会保険労務士事務所だより「たすき」令和3年1月号(No.14)

【本年もよろしくお願いいたします】             

皆様あけましておめでとうございます。昨年は「たすき」をご一読いただきまして誠にありがとうございました。本年も自身の職務経験や日々感じたこと、さらに人事労務に関する情報などを交えた内容を月に一度発出していきたいと考えておりますので本年も何卒宜しくお願い致します。 それではまず、令和3年の人事労務に関する法改正情報といたしまして、まずは1月より子の看護休暇や介護休暇については、時間単位での取得が可能になった点、そして全ての労働者が取得できるようになった点がポイントです。ただし労使協定締結により現状と同じく入社6ヵ月未満の従業員そして週所定労働時間2日以下の従業員は対象外となります。有給無給が問われないのは改正前と同じです。このような看護休暇以外にも現状男性の育児休業取得率は年々増加しているとは言うものの2019年度で7.48%と女性の83.0%と比べると大きな開きがあります。そのような課題を改善するため保険料の免除制度や育児休業給付金、そして男性の育児休業を促進するための両立支援等助成金という制度もあります。現在はネットから厚生労働省発出の情報など育児休業を促進するための国の施策もチェックできます。今後も仕事と育児の両立を目指した社会の実現のため様々な法律改正が行われる可能性があります。そしてもうひとつご紹介したいのが4月より中小企業でも義務化されるパートタイム・有期雇用労働法の改正(同一労働同一賃金)です。これは同一企業・団体における正規雇用労働者と非正規雇用労働者との間の不合理な待遇差の解消を目指すものとしてポイントは3つ、①不合理な待遇差の禁止②待遇に関する説明義務の強化③行政による裁判外紛争解決手続きの整備(対象となる紛争の中に不合理な待遇の禁止や待遇差の内容・理由が追加)となります。正社員と短時間労働者・有期雇用労働者の待遇に違いがある事業所さんについては、それについて働き方や役割の違いに応じたものであり、不合理な待遇差ではないことを説明できる資料作成の準備が必要になります。今までは正社員・パート・アルバイトという理由のみで待遇差に違いをつけたものについても今回の改正により手当によっては一律で支払うべきという方向性が示されているものもあります。例え話ですが、産休中の正社員さんの代わりにアルバイトを雇い、正社員が月給25万円に賞与も別途あるにも関わらず、アルバイトは時間半分の1日4時間で正社員が行っていた仕事の8割以上をこなしたにも関わらず時給1000円ならそれははたして均衡のとれた待遇なのでしょうか?今後多種多様なケースでの労使間トラブルが起こるかもしれません。

【withコロナの中で】

令和2年はコロナ関連のニュースで持ち切りでしたが、withコロナの中で緊張感や閉塞感を感じながら生活を続けるのは本当に辛いことです。私は週に2回ランニングをすることにより体も心もリフレッシュできるよう心掛けています。また、それ以外で実践していることは、例えば飲食店で食事をしたあと会計を済ませる時「ご馳走様でした」と伝えたり、スーパーやホームセンターなどで会計を済ませる時や銀行の窓口などで「ありがとう」と声をかけるようにしています。医療従事者さんへの感謝はもちろんのこと当然接客業やサービス業をされている従事者さんへの感謝の気持ちも常に持ち続けなければと感じます。私もかつてはスーパーで長年接客業を経験し、当然人間ですから愛想の悪い客には良い感情を抱くことができませんでしたが「ありがとう」と言われればやはり嬉しく感じて思わず「またお越しください」と言葉のキャッチボールが続くことがよくありました。あくまで私の主観ではありますが、コロナ禍の息の詰まるような日々の中で、私も含めて感染リスクなどいろんな不安を抱きながら仕事を続けている全ての人への感謝の意味を込めて素直に「ありがとう」をこれからも伝えていきたいと感じます。しかし今の ご時世かもしれませんが、スーパーやコンビニのレジで「いらっしゃいませ」「ありがとうございました」の声かけが聞こえない場合もあり、スーパー勤務経験者としてはそのような接客態度に失望を感じることもあります。私が店長をしていた頃、レジスタッフの人たちに「お客様におつりを返すとき、潔癖症になって上からおつりを落とすことなく、手渡しで必ず返してほしい」とよく言ったものです。また厳しく指導してくれた当時の上司から「昼間のレジは全ての台を稼働するように」とか「駐車場に従業員の車を止める時は一番遠く不便なところに置くように」など分かっているようで気を緩ませると疎かになるようなことを持続し続ける大事さを教えていただいたことを今でも思い出します。お客様への気づきや思いやりが疎かになった店は、今のようなコロナ禍の理由だけでなく、価格競争や立地などの外的要因によって一気に影響を受けるかもしれません。スーパーで勤務をしていた頃、商品を切らしてしまうことを「チャンスロス」とよく言いましたが、従業員に対する接客販売の指導や教育が欠如してしまうことも当然お店にとって「チャンスロス」になることを管理監督者が強く意識する必要があるのかもしれません。

~最後までお読みいただきありがとうございました~